-------------------------------------------------------------------------------- 10/0/3/2/薬咲鏡/空山海 5/0/0/3/儀1黙黙黙詠龍/木俣《上の空》公子 -------------------------------------------------------------------------------- 「わー可愛いー! お兄ちゃんのクラスの子だよね。えっ? 男? …………でもやっぱ可愛いー!」 ……なんて言ってたけど、海くん可愛い顔して結構やるなあ。 先手を取ってドラゴンを召喚できた時はこりゃ余裕かなとか思ったけど、まさか毒薬剣と咲火剣のコンボとはね。 咲火剣は威力は極めて低いけど、防御力無視でダメージを与られる剣。 更に毒薬剣を使うことで、斬るたびに毒を与え続けられる。 防御力が売りのドラゴンにしてみれば、このコンボはかなり厄介。 更に何故かやたらと硬いメイド服のおかげで防御力も結構あるから、速攻で終わらせるのも難しくなっている。 うーん、考えられた構成だ。 「大丈夫? かなり毒回ってるみたいだけど」 《うむ……なかなか面白い剣を使う。太古の人間は狩猟に毒を用いたというが》 「ふーん、まさかアンタも毒にやられたことあるの?」 《ドラゴンが毒にやられるものか……と言いたい所だが、そもそも我等に毒を食らわせることが出来る者などいなかった》 「ん? つまり毒が効かないんじゃなくて、食らったことがないだけってこと?」 《いかにも。毒を口にする間抜けなどいなかったし、毒矢など傷一つ付かぬ》 「んで、実際こうして毒を食らってみたら、普通にやばい状況になりましたよと」 《まあ放って置けばいかに我とて死ぬだろう。毒とはそういうもののことを指す》 「威張って言うことじゃないでしょーが。……どうする? 私は棄剣したっていいんだよ?」 《一ビルドに過ぎぬ我の身を案じて勝負を捨てるなど笑い話にもならぬ。少し判断基準が狂ってきているようだな》 「あーまあそうなんだけどさー」 《まあ、その心遣いは悪い気はしないが。それに毒は回り切るのに時間がかかるものだ。体力が多い程にな》 「えっ、じゃあ行けそう? ゴリ押しでガーッと」 《ところで公子、そなたに一つ言っておきたいことがある》 「えー何よ、どうしたの急に」 《やることがなくて暇だからと言って話し掛けてくるのは構わんがな、戦闘の流れくらい見ていろ》 「えっ、あれ、終わってた……のね」 《毒が回るのでこれで失礼するぞ》 呆れたようにスッと消えるドラゴン。 あー、このパターンは知ってるぞ、また枕の山にまっ逆さまのやつだな。 -------------------------------------------------------------------------------- 勝者:木俣《上の空》公子 --------------------------------------------------------------------------------