-------------------------------------------------------------------------------- 5/0/0/4/死黙黙残星/飛和見紫子 5/2/0/2/盗導0壊吸毒/有 -------------------------------------------------------------------------------- 格闘ゲームコーナーから戻るついでに、音ゲーコーナーを覗いてみた。 相変わらず文鎮が踊り狂っている隣で、珍しい2人が対戦しているようだった。 つーか文鎮ずっとやってるのかよ……そのうち脱水症状で倒れるんじゃねーか。 対戦しているのは、飛和見紫子と犬柴白狼である。 犬柴あのやろう、俺がどんなに気を引こうとしても筐体から降りなかったくせに、まったく気まぐれな奴め。 珍しいので後ろから対戦を眺めることにする。 うーむこれは、猫人間VS角人間のケモノ対決だな。 ぴょこぴょことリズムに乗る様子は、どちらも甲乙つけ難く大変可愛らしい。 いつもクラスではオドオドしている飛和見も、心なしか生き生きとしているように見える。 あまりゲームが得意なイメージはなかったが、素早い動きでボタンを押している。 素早い……というか、早過ぎないかあの手の動き。 そういえば昨日も、飛和見に近づいた時、なんだか時間の動きがおかしくなったような感覚を覚えた。 犬柴はもうボタンじゃなくて画面に流れてくるバーをたしったしっと手で追っている。 ぼんやりとした、不思議な空間が広がっているようだった。 見ているこっちまで取り込まれてしまいそうな不思議な空気が飛和見から出ているような気がした。 ふと気付くと、とっくにゲームは終了し、飛和見の勝利を告げていた。 犬柴は筐体の上で丸くなって寝ていた。 -------------------------------------------------------------------------------- 勝者:飛和見紫子 --------------------------------------------------------------------------------